ブログ > 総合 > 保険・事故対応
落雷のあとのパネル調査:IVカーブで「外的な損傷」を説明するには
よくあるご質問
落雷のあと、IV測定で性能が大きく落ちた回路が見つかりました。保険会社からは「回路の損害は分かるが、パネル1枚ずつの損害までは確認できない」と言われています。どう説明すればよいですか。
結論:IV測定で回路ごとの健全性を確かめ、根拠を3つに整理します
落雷のあとのパネル回路の確認には、IVカーブ測定が有効です。回路が正常と確認できれば、復旧・発電再開とあわせて報告書で説明します。
性能が落ちた回路が見つかった場合は、次の3つの根拠で、落雷による外的な損傷であることを説明します。
根拠1:良い回路と悪い回路がはっきり分かれている
経年劣化であれば、全体が同じように落ちるか、一部の不良パネルだけが落ちるのが普通です。ある時点を境に、多くの回路が急に落ちることは考えにくいです。
根拠2:事故の前は発電が正常だった
パワコンごとの日々の比較や、近くの発電所との比較で、事故の前は正常な値だったことを示します。これで、事故の前から不良だった可能性を否定できます。
根拠3:ほかの原因を消していくと、落雷による高電圧に絞られる
各パネルにはバイパスダイオードがあります。逆向きに電流が流れた場合は、端のパネル1枚だけが壊れて回路の電圧がゼロになるはずです。そうした回路がなければ、高い電圧が回路全体に回り込んだか、地絡したと考えられます。
「測定値が良ければ使い続けてよい」とは限らない
通常の耐圧試験の電圧を超える電圧を受けた回路は、表面上の測定値が良くても、品質を保てているとは言い切れません。そのまま使い続けることは、技術基準を守る観点から問題になるおそれがあります。
少なくとも不良と分かった回路は、全数を損害として扱うよう求め、必要に応じて個別の詳しい調査を提案します。
大規模な発電所での注意点
回路数が多い発電所では、IV測定だけでも数人で何日もかかります。不良の回路が見つかると、さらに1枚ずつの切り分け調査が必要になり、期間が長くなります。
まずは日ごろの保守会社に相談し、測定の範囲と順番を決めて進めるのがおすすめです。
雷への備え
接続箱にSPD(サージ防護デバイス)を追加しておくと、雷による被害を減らす対策になります。保険の内容とあわせて検討してください。
※一般的な解説です。個別の発電所への適用は、図面・測定結果・メーカー資料・電力会社の条件を確認のうえ判断します。