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落雷でパワコンが壊れたときの保険請求:事故報告書の書き方と査定への対応

読了目安:約6分 | カテゴリ:保険・事故対応

よくあるご質問

落雷でパワコンが止まりました。保険会社からは「メーカーの点検報告書を出してほしい」「基板交換で直るのでは」と言われています。どう対応すればよいですか。

事故報告書は「事実と根拠」で組み立てる

報告書は、担当者の個人的な意見ではなく、事実と根拠をもとに書きます。次の構成にすると、保険会社にも伝わりやすくなります。

  • 調査結果:落雷による機器故障と想定されること。
  • 今後の対応:故障機器の交換を推奨すること。
  • 詳細:メーカーサポートの判定内容(内部故障であること、修理費は調べないと出せないこと、調査費と修理費が新品より高くなる可能性、修理には保証が付かないこと)。
  • 交換を推奨する理由:修理にかかる期間中の売電機会の損失も考慮したこと。
  • 外的要因:故障した日時と落雷の情報が一致していること(落雷データを添付)。

メーカー修理の見積は「報告書」ではなく、この流れで出る

  1. 現地からメーカーサポートへ連絡し、故障状況を伝えます。
  2. メーカーのリモート作業に沿って、現地の電気工事士が確認します。
  3. メーカーが故障と判定します。
  4. 主任技術者が判定内容を確認し、修理が妥当であれば修理と見積を依頼します。
  5. リモート作業の結果をもとに、修理見積書が出されます。

通常は、この見積に修繕の外注費を加えた復旧見積を保険請求に添えて査定を受けます。メーカーサポートとのやり取りの記録も、根拠として使えます。

別に点検報告書を作ってもらうと、修繕費とは別の費用がかかり、補償の対象外になる可能性が高くなります。依頼する場合は、誰が発注して誰が支払うのかを先に決めておきましょう。

交換工事の工期と人工の考え方

査定では、工期や人工の根拠を求められることがあります。パワコン交換では、たとえば次のような作業が必要です。

撤去(電気工事士と重量物作業員)、新設(電気工事士と設置作業員)、整定値の入力設定(機器設定の専門職)、受入検査を含む各種試験(電気工事士)。このほか、試験機器のレンタル費や新設架台の資材もかかります。

減額査定を受けたときの確認ポイント

  • 撤去時の配線の取り外しや端末処理は電気工事士の作業です。監督とは別に、作業員としての電気工事士が必要です。
  • 単価が減額された場合は、実勢単価との差の根拠を示してもらいます。
  • 対象外とされた項目は、約款などの根拠で説明してもらいます。
  • 整定値の設定は、電力会社と打ち合わせて値を確かめ、パワコンに個別に入力する作業です。設定しなければ復旧できないことを説明します。
  • すでに交換して復旧している場合は、新価での対応が前提です。時価での算定に安易に同意しないようにしましょう。
  • 最終的に査定額で合意する場合は、所有者の了承を得てから回答します。

「基板交換で復旧できる」と査定されたら

メーカーからは、落雷被害の場合は基板交換だけでは保証できず、内部機器をすべて交換する必要があるとの見解を受けています。後継機がない場合は、他メーカーへの買い替えを勧められます。

落雷による損傷の全容は、現物を検査しても電子部品のすべてまでは明らかにできません。「メーカーへの電話聴取だけ」や「他社の同規模の機器は基板交換で直った」といった理由だけでは、査定の根拠として十分ではないと考えます。

電気事業法の技術基準を満たせない可能性がある状態で基板だけを交換して運転を続けることは、おすすめできません。査定額と交換費用の差が小さい場合は、査定内容には同意しない旨を明記したうえで金額を了承する、という対応もあります。

設備状況に応じたご相談は、Gチャッピーへ。

※一般的な解説です。個別の発電所への適用は、図面・測定結果・メーカー資料・電力会社の条件を確認のうえ判断します。