「高級車のような乗り心地」「走行コストが安い・ガソリンスタンドに行かなくて良い」「メンテナンスコストが安い」など、EVについて様々なメリットを挙げることが可能ですね。なかでも今回は、「家庭用電源として活用できる」というEVのメリットについてまとめてみます。
災害時の非常用電源
まず一般家庭の1日の平均電気使用量(※)を見てみると、1人世帯で6.1kWh、2人世帯で10.5kWh、3人世帯で12.2kWh、4人世帯で13.1kWhとなっています。
家庭用蓄電池の容量は10kWh程度ですので、災害時の電源として利用できるのはおよそ1日分に相当する計算になります。これに対し、EVはどうでしょう?国産自動車メーカーだけでも、ざっと見てみましょう。
少しコンセプトを異にするトヨタの軽自動車「C+POD」をひとまず脇に置く(バッテリーは9kWh)として… まず、三菱自動車の軽自動車「eKクロスEV」のバッテリーは20kWhで、トヨタの4WD EV「bZ4X」のバッテリーは71.4kWhです。EVのラインナップが豊富な日産のバッテリーは、軽自動車「サクラ」で20kWh、「リーフ」で40kWh、「リーフe+」や「アリア」だとそれぞれ60kWh・66kWhとなっています。つまり、軽EVでもおよそ2日分、EVだと4〜6日分に相当する計算になります。
家庭用蓄電池に比べて、EVは容量がとても大きいバッテリーを搭載しているわけです。EVが「走る蓄電池」と言われることがあるのも納得ですね。こういうわけで、EVには優れた「災害時の非常用電源」になるというメリットが確かにあります。
※ 2022年の総務省統計局「家計調査(家計収支編)」の「世帯人員別1世帯当たり1か月間の収入と支出」を参照
電気代の節約
走る蓄電池であるEVは、普段の生活の中でも「電気代の節約」ができるというメリットもあります。
電気料金の安い夜間などにEVを充電し、電気料金が相対的に高い日中にEVを家庭用電源として活用すれば、電気代が節約できるというわけです。
そして、言うまでもないかもしれませんが、非常時でも平常時でも太陽光発電を併用することで、「家庭用電源として活用できる」というEVのメリットは更に大きな意味を持ち、柔軟に活用できる様になるわけです。優れた蓄電池としてのEV需要が高まっているのも納得ですね。
「V2H」とは?
上記の通り、「家庭用電源として活用できる」というEVのメリットを説明しました。ただし、このメリットを享受するためにはEVだけでは足りないのです。「V2H(※)」という電気機器を併せて購入・設置しないといけないのです。
「V2H」とはなんでしょう?このV2Hシステムを世界で初めて開発し、2012年に市場導入したリーディング企業「ニチコン」の公式ホームページによると、V2Hとは『家庭の交流を直流に変換し車両へ充電、車両の直流を交流に変換し家庭へ放電を行う電気機器』であると説明されています(https://www.nichicon.co.jp/products/v2h/)。ちなみにニチコンのV2Hは「EVパワー・ステーション®️」という商品名になります。
「家庭用電源として活用できる」というEVのメリットについて、ぜひ「V2H」という電気機器とセットで覚えてくださいね。そして、V2Hは購入費用だけでなく、設置費用もかかりますから、家庭用電源としてのEV導入を検討する際には、EVの車体価格・補助金だけでなく、V2Hの購入・設置価格と補助金をチェックすることをお忘れなく!
※ 「V2H」とは、”Vehicle to Home” の略語です。
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